春節と聞くと「中国人観光客が一気に増える時期」「日本への影響が大きいイベント」というイメージを持つ人も多いかもしれません。実際、近年は日本国内でも春節を特別視する報道や対策が目立ちました。
しかし2026年現在、春節を取り巻く状況は大きく変化しているのが現状です。この記事では2026年の春節を中国大陸・台湾の両面から整理し、日本側への影響や渡航時の注意点を解説します。記事を読めば、中国人観光客が減ったと言われる今でも中国語が無駄にならない理由と、今後求められる中国語スキルの方向性について理解できます。2026年の春節がどうなるのかに興味がある方は、ぜひ本文をご覧ください。
2026年の春節は2月17日(火)

2026年の春節(旧正月)は旧暦の元日が 2月17日(火)に当たります。
中国国内の春節休暇(大型連休)としては、政府の祝日カレンダーで2月15日(日)〜2月23日(月) の期間が春節休暇とされています。
※ 中国の祝日スケジュールは政府発表により変更される可能性があります。
春節を取り巻く状況はどう変わったのか

近年、日本では「春節=中国人観光客が一気に押し寄せる時期」というイメージが強くありました。2024年は団体旅行解禁後初の春節ということもあり、観光業界やメディアを中心に大きな注目が集まりました。しかし2026年現在、春節の時期の状況は変化しています。春節を取り巻く状況を以下に分けて解説します。
- 「大量来日シーズン」という前提が崩れた理由
- 中国側の変化(渡航・経済・国内志向)
- 日本側の変化(インバウンド依存からの転換)
「大量来日シーズン」という前提が崩れた理由
かつての春節は訪日中国人観光客の数が短期間で急増する明確なピークとして認識されていました。しかし現在は、渡航環境や旅行スタイルの変化により、人の流れが分散しています。団体旅行中心から個人旅行への移行、渡航先の多様化、旅行頻度の低下などが重なっていることが、春節の状況が変わり始めている背景にあります。
日本側でも春節を特別視した受け入れ体制を取らなくなりつつあり、結果として「一極集中」の印象が薄れているのが現状です。
中国側の変化(渡航・経済・国内志向)

中国側では、海外渡航に対する考え方が変化しています。経済状況の不透明さや雇用環境への不安から、長距離・高額な海外旅行を控える層が増えました。
一方で国内旅行や近距離旅行を選ぶ人が増え、春節は「帰省と国内消費の時期」としての性格に戻りつつあります。さらに渡航に関する制度や手続きが流動的であることも、海外旅行を慎重に判断する要因となっています。
日本側で起きた変化(観光政策・受け入れ姿勢)
日本国内でもインバウンドに対する姿勢が以前とは異なります。特定の国や時期に依存する経営モデルのリスクが意識されるようになり、観光客の分散化や地域住民との共存を重視する流れが強まりました。春節を前提にした過度な準備や警戒は見直され、他国の一つのイベントとして冷静に捉えられるようになっています。
依然として春節による影響が国内に及ぶ可能性はあるものの、日本社会全体の動向を左右する存在ではなくなりつつあります。
2026年の春節は今も気にする必要があるのか

春節を取り巻く環境が変化したとはいえ、完全に影響がなくなったと言い切れるわけではありません。2026年の春節も業種や地域によっては影響が及ぶ可能性があります。2026年の春節について以下の観点から考察します。
- 春節の影響がまだ残る可能性のある業種・地域の特徴
- 過度な警戒が逆効果になる場面
- 春節を「イベント」ではなく「背景」として捉える考え方
春節の影響がまだ残る可能性のある業種・地域の特徴
現在でも春節の影響を受けやすいのは、特定の観光地や業種に限られています。例えば中国語対応を前提とした接客を行っている一部の小売業や、団体客の受け入れ実績が多い施設では、春節期間中の人の動きに注意が必要です。
また、台湾や香港など中華圏からの観光客が比較的多い地域では、旧正月に合わせた休暇取得や旅行需要が一定程度見られることもあります。ただし、それは「全国的な現象」ではなく「局所的な変化」に近いものになっています。
過度な警戒が逆効果になる場面

春節に対する過度な警戒や先入観は、時に逆効果になることもあります。必要以上に身構えることで、通常の業務や対応に支障が出たり、特定の国籍の人々を一括りにして見てしまったりするリスクがあります。
2026年の状況では「春節だから特別対応をする」という姿勢よりも「来訪者一人ひとりに柔軟に対応する」姿勢の方が合理的です。イベントとしての春節を意識するよりも、目の前の顧客の状況に応じた判断をすることが求められます。
春節を「イベント」ではなく「背景」として捉える考え方
近年では春節の時期に観光客が増加するため、日本国内でも職種によっては春節を意識する動きがありました。しかし、今後は春節をあくまで背景情報の一つとして把握し、必要な場面でだけ参照する程度が現実的と言えます。
春節による影響が出る可能性を知っておくことは大切ですが、振り回されない姿勢もさまざまな職種において役立ちます。2026年の春節は特別な警戒対象ではなく、数ある国際的な行事の一つとして、冷静に受け止める段階に入っているでしょう。
インバウンドと日本社会の距離感はどう変わったか

近年、日本ではインバウンド回復が経済再生の象徴として語られる場面が多くありました。特に中国人観光客の動向は、観光業だけでなく小売や交通など幅広い分野で注目されてきました。
しかし2026年現在、日本社会とインバウンドの距離感は、当時よりも落ち着いたものへと変化しています。量を追い求める段階から、受け入れ方や持続性を考える段階へと移行しつつあるのが現状です。インバウンドと日本社会の距離感について以下の点に分けて解説します。
- 中国インバウンド依存が見直され始めた背景
- 他国インバウンドとの違いと分散化の動き
- 観光地・都市部・地方での温度差
中国インバウンド依存が見直され始めた背景
過去にも中国からの観光客に大きく依存するモデルは、外部環境の変化に弱いという課題を抱えていました。中国観光客が日本国内にもたらす経済効果は渡航政策や国際情勢の影響を受けやすく、急激な増減が起こることがあります。
近年の経験を経て、日本国内では「特定の国に依存しすぎない観光構造」を目指す動きが広がりました。結果として、中国インバウンドに対しても冷静な見方を持つ企業や事業者が増えています。
他国インバウンドとの違いと分散化の動き

2026年の日本では訪日観光客の構成がより多様化しています。台湾や東南アジア、欧米など、地域ごとに異なる旅行スタイルやニーズを持つ観光客が訪日するようになりました。
2026年現在ではインバウンドの分散化により「特定の時期に特定の国から人が集中する」という状況は起こりにくくなっています。春節も、観光客が訪れる要因となる数多くある要素の一つとして扱われるようになっています。
観光地・都市部・地方での温度差
インバウンドとの距離感は地域によっても異なります。観光地では依然として外国人観光客の存在感が大きい一方、都市部の日常生活では、インバウンドの影響を強く意識しない人も増えました。
また、地方では観光客を歓迎しつつも、地域住民の生活への影響を懸念する声もバランスを重視する声が強まっています。インバウンドについては全国一律で語るのではなく、地域ごとの事情を踏まえて考える必要があります。
中国渡航・出張・移動を考える人が知っておくべき現状

春節を日本側から見るだけでなく、中国大陸や台湾への渡航を検討する立場で捉えると、また違う注意点が存在します。中国渡航・出張・移動を考える人が知っておくべき現状を以下に分けて解説します。
- 春節時期の公式休暇と実際の稼働状況(中国大陸)
- 旧正月休暇の特徴(台湾)
- 出張・留学・短期滞在で注意すべき点(中国大陸・台湾共通)
- 「行く・行かない」を判断する現実的な基準
春節時期の公式休暇と実際の稼働状況(中国大陸)
中国大陸では春節の公式な連休はおおむね1週間前後とされています。しかし実際には、春節前後を含めたより長い期間にわたって企業活動や行政手続きが通常通りに機能しないケースも珍しくありません。
特に地方都市では、出稼ぎ労働者が帰省に合わせて長期休暇を取ったり、春節を機に職場を離れたりする人も多く見られます。その影響で、物流の停滞や店舗サービスの縮小、窓口業務の遅延などが発生することがあります。
一方、北京・上海・広州などの大都市では、春節明けに比較的早く通常稼働へ戻るケースもあり、地域差が大きい点には注意が必要です。「春節期間=一律に何も動かない」と考えるのではなく、訪問先の地域特性を事前に確認することが重要です。
旧正月休暇の特徴(台湾)

台湾でも旧正月(春節)は重要な祝日ですが、影響の出方は中国大陸とはやや異なります。台湾の公式な旧正月休暇は4〜7日程度であることが多く、中国大陸ほど長期間社会全体が停止することは少ないのが特徴です。
旧正月には台湾の多くの企業や行政機関は休業しますが、都市部では旧正月期間中でも営業を続ける店舗や飲食店が一定数存在します。また、台湾の旧正月に伴う移動は国内に留まる人が多く、海外渡航や大規模な移動は中国大陸ほど集中しません。
旧正月に台湾へ渡航や出張をする場合は、数日間だけ業務が止まる可能性はありますが、長期間の業務停滞は起きにくいという認識で計画を立てると良いでしょう。
出張・留学・短期滞在で注意すべき点(中国大陸・台湾共通)
出張や留学、短期滞在などの目的で中国大陸や台湾を訪れる場合は、春節(旧正月)期間中の連絡の遅れを想定しておくことが必要です。春節には交通機関の混雑やチケットの確保が難しくなる場合があります。企業内では担当者と連絡が取れなかったり、決済や手続きが進まなかったりする状況も予想されます。
特に中国大陸では、春節前後に予定を詰め込みすぎると、思うように物事が進まない可能性が高まるため注意が必要です。春節が近い時期は短期滞在であっても、余裕を持った日程を組むことがリスクを下げる現実的な対策です。
「行く・行かない」を判断する現実的な基準
春節期間の中国・台湾渡航を判断する際は「危険か安全か」という二択ではなく、目的とタイミングを基準に考えることが現実的です。春節前後を避けて計画を立てたほうが、混雑中に起きる不要なトラブルを避けられる可能性は高まります。一方で、どうしても春節に渡航が必要な場合は、影響を受けにくい地域やスケジュールを選ぶことでリスクを抑えられます。
【2026年】中国人観光客が減っても中国語は無駄にならない

中国人観光客の来日数が以前ほど目立たなくなったことで「中国語を学ぶ意味は薄れてきているのではないか」と感じる人もいるかもしれません。しかし、中国語の価値は中国本土からの観光客数だけでは判断できません。2026年現在、中国語が役立つ場面は広く存在し続けています。以下では中国人観光客が減っても中国語は無駄にならない理由について以下の4つに分けて解説します。
- 中国語が「観光対応」だけの言語ではなくなった理由
- 中国語が今も活きる具体的な場面
- 今後求められる中国語スキルの方向性
- 中国語学習を続けるか・やめるかの判断基準
中国語が「観光対応」だけの言語ではなくなった理由
中国語は長らく「中国人観光客への対応言語」という文脈で語られることが多くありました。しかし2026年現在、中国語の位置付けは大きく変わりつつあります。観光客数の増減に左右される一時的なスキルではなく、中華圏の人々と直接コミュニケーションを取るための言語として中国語が再評価されているからです。
特に、中国本土だけでなく台湾を含めた中華圏全体を視野に入れると、中国語が使われる場面は観光客への対応に限定されません。中国語は「大量対応のためのツール」から「個人と個人をつなぐ言語」へと役割を変えています。
中国語が今も活きる具体的な場面

2026年現在、中国語が生きる場面は以下のように多岐にわたります。
- 台湾からの観光客対応
- 台湾企業との取引
- 中国語圏からの留学生対応
- 国際交流イベント
中国語を共通言語として使う機会は今も一定数存在しています。台湾では繁体字が使われ、中国語の発音や言い回しには中国本土と違いがある面もありますが、基本的な中国語(普通語)での意思疎通は十分に可能です。台湾からの観光客は英語よりも中国語で話しかけられた方が安心感を持つ人も多くいます。
今後求められる中国語スキルの方向性
中国語が無駄にならない理由は「観光客が来るかどうか」とは別のところにあります。2026年以降、中国語は人との関係を築く・機会を広げる・世界の動きを理解するためのスキルとして価値を持ち続けています。
中国語が役立つ場面の一つは個人的な人間関係です。インバウンドの勢いが低下傾向にあるとはいえ、留学生や在日外国人との接触、オンラインコミュニティでの交流など、中国語話者と出会う機会は今も少なくありません。個人の人間関係では近況や感情をシンプルに伝える力が役立ちます。基本的なやり取りを中国語で自然にできるだけで、相手との距離を一気に縮めることが可能です。
近年ビジネスの場面では、専門職でなくても中国語が評価される傾向があります。中国語を使う仕事は、通訳や翻訳に限らず、営業や接客、サポート業務など簡単な中国語が必要となる場面は多くあります。特に台湾企業や中華圏と関わる業務では英語に加え少しの中国語ができると、仕事の幅を広げられるかもしれません。
情報を一次ソースで確認できる中国語力も今後役立つスキルです。中国・台湾をめぐるニュースは、日本語や英語に翻訳された時点で、文脈やニュアンスが大きく削られることがあります。高度な語学力がなくても、見出しや短い記事、SNSの投稿を読むと現地での受け止められ方や日本の報道との違いが判断できます。時事問題を理解する力は、世界を見る解像度を確実に上げる有用なスキルです。
中国語学習を続けるか・やめるかの判断基準
中国語学習を続けるかどうかは、春節に観光客が増えるか減るかだけで判断するものではありません。中華圏の人と関わる可能性があるか、自分の仕事や興味とどう結びつくかという視点で考えることが重要です。
一方で、中国語を使う機会がほとんどなく、他に優先したいスキルがある場合は学習を一旦止める判断も現実的です。ブームや不安に振り回されるのではなく、自分にとっての必要性を冷静に見極めるようにしましょう。
中国語は学ぶ人の目的次第で価値が大きく変わる言語です。観光動向に左右されない視点を持ち、自分なりの中国語学習の目的を明確に定めるようにしましょう。
春節の影響が少なくなっても中国語学習は無駄にならない

春節をめぐる状況は近年大きく変わりました。かつての春節=中国人観光客が大量来日といった概念は崩れつつあります。しかし、春節の影響が少なくなっても、中国語学習の価値が下がったわけではありません。友だちを作るため、仕事の幅を広げるため、時事問題を理解するためといった目的では、中国語のスキルは変わらず生かせます。
中国語を学ぶかどうかを迷っているなら「今、中国人観光客は増えているか」ではなく「自分は中国語をどんな場面で使いたいか」を基準に考えてみてください。一時的なブームの動向に影響されなければ、長期的な価値のある中国語スキルが身に付けられるでしょう。
